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« パーリ語の音節と韻律 (学習ノート) | トップページ | 4.12. 小さなまとまりの経 895. (888) »

パーリ語の教材と参考資料


■ はじめに

 関西パーリ語実習会では、現在、スッタニパータ4章(以前は5章)のパーリ語* 原文を教材に、パーリ語文法解析学習をしています(ちなみに同経典の内容についての学び・意見交換は同日午後にしております)。

 この記事では、新たに参加される方、今後参加をご検討の方、または、パーリ語に少しでも興味関心のある方々のために、当勉強会がどのような教材や資料で学んでいるかについて紹介してみたいと思います。利用させていただいている貴重な辞書・文法書・註釈・翻訳書・その他を執筆・作成された方々にこの場を借りて深く感謝申し上げます。

 なお、遠方や日程的なご都合で勉強会に参加できない方でも、自主的に、これらの教材を用いて予習し、学習結果のブログ記事で答え合わせして復習してみる、という形でパーリ語学習を続けていくことができるのではないかとも思います。もしもそういう方が当ブログ記事をご活用くださいましたら、誠にありがたく存じます。

 パーリ語の経典を一字ずつ吟味し、意味を考えながら丁寧に読むと、ブッダの教えを直に原典から主体的に学ぶ喜びを感じることができると思います。参加・遠隔いずれの形でもぜひご一緒にパーリ語を学んでみませんか。よろしくお願いします。

 * 備考:パーリ語について
  (「パーリ語」@「日本テーラワーダ仏教協会」https://j-theravada.net/world/keyword/keyword-01/
  (「パーリ語」@ 「コトバンク」 https://kotobank.jp/word/パーリ語-116896
  (「パーリ文字」@「地球ことば村・世界言語博物館」http://www.chikyukotobamura.org/muse/wr_seasia_37.html


■ 【基本教材】

 参加者全員が利用・持参しているもの、教科書的位置づけの4点です。

 ● パーリ原文=『スッタニパータ(suttanipātapāḷi)』

当勉強会で底本として利用させていただいているのは、タイ版(国際版パーリ三蔵)(第六結集版の改訂)です。
同版の詳細については、下記の正田氏の電子書籍内の序言をご参照ください。
なお、同書籍の中にそのパーリ語原文も収録されています。

 ● 和訳=正田大観『小部経典 第一巻 (パーリ語原文付)~正田大観 翻訳集
          ブッダの福音~ Kindle版』Evolving、2015年

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00UWBMHXK/ref=dbs_a_def_rwt_bibl_vppi_i5

 ● 辞書=水野弘元『パーリ語辞典〔増補改訂版〕』春秋社、2005年

 ● 文法書=水野弘元『パーリ語文法』山喜房佛書林、1955年

 基本4点セットのうち、原文と和訳は正田氏から順次プリントを頂いており、辞書と文法書は各自購入しています。

 予習は、正田氏の和訳(原文一語一語の語義・語順・文法にできる限り忠実に翻訳されている逐語訳で、文法解析の学習や原典の正確な理解に最適で貴重な翻訳だと存じます)を手がかりに、各自担当の1偈(現状は全員で毎月5偈予習しています)のパーリ語文を一語ずつ分解し、その品詞や性・数・格・人称・態・法・時などを調べてきます。そして当日、正田氏のガイドのもと、発表・意見交換・答え合わせをして学んでおります。

 調べてみたけど分からないというところは分からないでOK、というスタンスです。また、複数の可能性が等しく考えられる場合は、決め付けない、両論併記、という態度でもあります。学校の授業ではありませんので、気楽に取り組んでおります。


■ 【発展学習】

 いわば発展学習向けとして、筆者が把握している範囲内で、一部参加者が参照していると思われる文献や情報源を紹介します。非公式・参考書的な位置づけと言えます。

※注意 日本語以外の言語のサイトへのアクセスやダウンロード・インストールする必要があるものもありますので、参照・利用される際には、慎重な操作と確認のもと自己責任で行ってくださいますようお願い申し上げます。

〔パーリ原文〕

 ● 『スッタニパータ』Pali Text Society(略称PTS)版

ロンドンの「パーリ聖典協会」発行。
● 例えば、「Internet Archive」というサイト(https://archive.org/)に、Sutta-Nipāta by Dines Andersen and Helmer Smithという書籍のコピーあり。https://archive.org/details/in.gov.ignca.3113にて閲覧またはダウンロード可。
● または、「Sirimangalo.org」というサイト(https://www.sirimangalo.org/)にもあり。Sutta-Nipata by Dines Andersen and Helmer SmithのURLは、https://static.sirimangalo.org/pdf/suttanipata.pdf。個人的には、こちらのサイトのPDFファイルのほうが、背景が白色になっているため見やすく感じます。

 ● 『スッタニパータ』Vipassana Research Institute(略称VRI)版

第六結集版。ミャンマー版と言っても良いかと思います。
● VRIのPāḷi Tipiṭakaというサイト(https://tipitaka.org/)にあり。ローマ字表記のものは、トップページ左側項目欄の「Roman」の「Web」をクリックすれば閲覧可で、同じく「PDF」をクリックすればPDFファイルをダウンロード可。スッタニパータへは、Tipiṭaka(Mūla)(三蔵(根本))→Sutta Piṭaka(経蔵)→Khuddaka Nikāya(小部)→Suttanipātapāḷi(スッタニパータ=経集)と辿ります。)
● この経典をオフラインで閲覧することができるWindowsパソコン用の経典ソフト「Chaṭṭha Saṅgāyana Tipitaka Version 4.0 (CST4)」もあります。URLは、https://www.tipitaka.org/cst4。「Download the CST4 installer (40.9 MB)」をクリックして、ダウンロード、インストールする必要あり。)
● おそらくこのVRI版の経典を読めるAndroid用アプリが「Android Tipitaka」(Googleのアプリストア‎にて、提供元 Sirimangalo International)です。スッタニパータへの辿り方は、Suttanta→Mūla→suttanipātaです。各章への行き方は、アプリ上部の○iマークをタップし、例えば4章の各経ならaṭṭhakavaggo:………をタップします。)
● おそらく第六結集版の経典を読めるiPhone,iPad用アプリが「Chaṭṭha Saṅgīti Piṭaka」(AppleのApp Storeにて、提供元 Nyi Aye)です。ローマ字表記は、最初の画面の下部の右端のボタンからRomanを選択して他の言語をオフにします。スッタニパータへの辿り方は、Khuddakanikāya→Suttanipāta Pāḷiで、例えば4章へ行くなら、画面下部をタップしてから、右端のメニューボタンをタップして、4. Aṭṭhakavaggoの中から、各経を選びます。なお、最初の画面に戻るには、画面下部をタップし、左上の < Books、そして、< Nikāyaをタップします。

これらは、そもそも勉強会で使わない別版の経典ですが、参照する意味としては、例えばタイ版よりも単語が分かち書きになっていて単語分解のヒントになったり、微妙に違う綴りが(時には数種類も)書いてあって、単語特定のヒントになったりする場合があります。ただし、そもそも別版ですので、ごくまれですが、同じ偈文の中で、一部分、まったく異なる単語が使われている場合もある、ということにご留意ください。


〔経典和訳、註釈和訳、経典等の解説〕

 ● 中村元訳『ブッダのことば ── スッタニパータ』岩波文庫、1958年

 ● 村上真完、及川真介訳『仏のことば註〈1〉~〈4〉──  パラマッタ・ジョーティカ ── 』春秋社、2009年

 ● 宮坂宥勝訳『ブッダの教え スッタニパータ』、法蔵館、2002年

 ● アルボムッレ・スマナサーラ長老『経典解説 スッタニパータ 第五章「彼岸道品」』サンガ、2018年

 ● 正田大観『ブッダのことば (上) ──  第一部 義足経精読 正田大観著作集 ブッダのまなざし Kindle版』Evolving、2015年
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 ● 正田大観『ブッダのことば (下) ──  第二部 波羅延経精読 正田大観著作集 ブッダのまなざし Kindle版』Evolving、2015年
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 ● 正田大観『ブッダのまなざし(上)──  第一部 ブッダその真実の教え 正田大観著作集 ブッダのまなざし Kindle版』Evolving、2016年
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 ● 正田大観『ブッダのまなざし(下)──  第二部 対話するブッダ 正田大観著作集 ブッダのまなざし Kindle版』Evolving、2016年
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〔辞書〕

 ● 雲井昭善『パーリ語佛教辞典』〔改訂新版〕山喜房佛書林、2008年

 ● 村上真完、及川真介『パーリ仏教辞典 ──  仏のことば註 パラマッタ・ジョーティカ ──  付篇、パーリ聖典スッタ・ニパータ註、索引・辞典』春秋社、2009年

これらの辞書は高額かつ希少で、普通の近隣図書館にはおそらく所蔵されておらず、都道府県立や大都市立の公共図書館か仏教・人文系学部のある大学の図書館で館内閲覧のみ利用可だと思われます。

 ● The Pali Text Society's Pali-English dictionary(https://dsalsrv04.uchicago.edu/dictionaries/pali/

PTSのパーリ語英語辞書をネット上で検索できます。

 ● Pāḷi Dictionary(https://palidictionary.appspot.com/ または http://dict.sutta.org/

数多くのパーリ語各言語辞書を複数同時にネット上で検索できます。
前者のURLのサイトのほうが、検索ボックス横のKeyboradボタンを押せば、āやṃなども楽に入力できて、便利です。

 ● Pali Canon E-Dictionary Version 1.94 (PCED)(http://dhamma.sutta.org/pali-course/Pali-Chinese-English%20Dictionary.html

Windowsパソコンにインストールして使うパーリ語電子辞書ソフト。
上記Pāḷi Dictionaryというサイトと同じデータだと思います。
 「Download PCED 1.94 Full Version(143M)」の下の表の「下载点一」または「下载点二」をクリックし、ダウンロードした圧縮ファイル(0901-pali-han-dict.zip)をダブルクリックして解凍し、「PECD194」という名前のフォルダ(約550MB)の中の「pced_EN.exe」をダブルクリックするとソフトが起動します(ただし1.9.3.0.版と出ますが)。
 このソフトには、経典を別ウィンドウで表示できる機能もあり、その文中の単語をダブルクリックすると、自動的に辞書検索する機能もあります(ただし、そのままの綴りでの機械的な検索になるので、原形綴りでない場合、見出し項目にたどり着けないことが多く、結局は自分で原形綴りを推測して再検索せざるを得ないと思いますが)。
 Android版もありますが、公式のGoogleのアプリストアからでなくここのサイトからダウンロード・解凍した非公式のapkファイルからのインストールであること、辞書フォルダを手動で配置する必要があることから、導入のハードルは高めかもしれません。筆者の非力なスマホ(Android 5.1)では一応、遅い動作ながらも動きました。
 Linux版もあるようですが、筆者は検証していません。

 ● Pali-English Dictionary

Android用。Googleのアプリストア‎にて、提供元 Chandana Dematapitiya。
the Concise Pali-English Dictionary by A.P.Buddhadatta Mahatheraという辞書に基づいた、パーリ語→英語の辞書アプリ。
なお、インストールすると「Pali Dictionary」という名称になります。

 ● Pali-English - Pali English & English Pali dictionary

iPhone,iPad用。AppleのApp Storeにて、提供元 Khang Nguyen。
パーリ語→英語だけでなく、英語→パーリ語でも引くことができる辞書アプリ。
おそらく、辞書データは上記と同じと思われます。

 

〔文法書、各種経典文法解析〕

 ● 木岡治美『読めばわかるパーリ語文法』山喜房佛書林、2016年

 ● 佐々木現順、野々目了『基本パーリ語文法』清水弘文堂、1977年

 ● 長井真琴『独習巴利語文法』山喜房佛書林、1959年

 ● Wilhelm Geiger著、伴戸昇空訳『Pāli : 文献と言語』Abhidharma Research Institute、1987年

これらの書籍も恐らく普通の近隣図書館には蔵書がなく、都道府県立や大都市立の公共図書館か仏教・人文系学部のある大学の図書館であれば所蔵されていると思われます。

 ● 木岡治美『日常読誦経典 パーリ語ノート』〔改訂版(第二版)〕日本テーラワーダ仏教協会、2019年

 ● 光明寺経蔵(https://komyojikyozo.web.fc2.com/

ご覧くださり、ありがとうございました。ご参考になれば幸いに存じます。
お幸せでありますように。生きとし生けるものが幸せでありますように。

(文責:脇坂)

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