2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

« 2019年12月 | トップページ | 2020年2月 »

2020年1月

4.13. 大きなまとまりの経 919. (912)


【経典文】
 Vissajja ganthāni munīdha loke, Vivādajātesu na vaggasārī;
 Santo asantesu upekkhako so, Anuggaho uggahaṇanti maññe.
(18)

【正田氏訳】
 牟尼(沈黙の聖者)は、ここに、〔この〕世において、諸々の拘束を捨てて、諸々の論争が生じたとして、〔特定の〕党派に走り行く者ではありません。寂静ならざる者たちのなかにいながら寂静で、〔諸々の主義や主張を〕放捨する者は、彼は、〔特定の見解に〕執持する者ではありません──他者たちは、〔各自の見解に、各人各様に〕執持するとして。(18)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Vissajja (vissajjati:v.ger.) 「捨てて」
 ganthāni (gantha:m.>n.pl.acc. (男性名詞の中性的曲用.文法書p.66.l.11-17参照)) 「諸々の拘束を」
 munīdha < muni + idha 連声(前語語尾iと後語語頭iが結合してīに変化)
  muni (muni:m.sg.nom.) 「牟尼(沈黙の聖者)は」
  idha (idha:adv.) 「ここに」
 loke (loka:m.sg.loc.) 「〔この〕世において」

(b)
 Vivādajātesu < vivāda + jātesu コンパウンド
  vivāda (vivāda:m.comp.) 「諸々の論争が」
  jātesu (jāta < pp. of janati:a.m.pl.loc.) 「生じたとして」
 na (na:adv.) 「せん。」
 vaggasārī < vagga + sārī コンパウンド
  vagga (vagga:m.comp.) 「〔特定の〕党派に」
  sārī (sārin:a.m.sg.nom.) 「走り行く者ではありま」

(c)
 Santo (santa < pp. of sammati:a.m.sg.nom.) 「寂静で」
 asantesu (asanta < a(pref.) + santa(pp. of sammati):a.m.pl.loc.) 「寂静ならざる者たちの中にいながら」
 upekkhako (upekkhaka:a.m.sg.nom.) 「〔諸々の主義や主張を〕放捨する者は」
 so (so:pron.3.m.sg.nom.) 「彼は」

(d)
 Anuggaho (anuggaha < an(pref.) + uggaha:a.m.sg.nom.) 「〔特定の見解に〕執持する者ではありません。」
 uggahaṇanti (uggahaṇati = uggaṇhāti:v.3.pl.pres.) 「〔各自の見解に、各人各様に〕執持するとして。」
 maññe < aññe(前語との連声でm挿入) (añña:a.pron.m.pl.nom.) 「他者たちは」


[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



(文責:脇坂)

4.13. 大きなまとまりの経 918. (911)


【経典文】
 Na brāhmaṇo kappamupeti saṅkhā, Na diṭṭhisārī napi ñāṇabandhu;
 Ñatvā ca so sammutiyo puthujjā, Upekkhatī uggahaṇanti maññe.
(17)

【正田氏訳】
 〔真の〕婆羅門は、〔正しく〕究明して、〔時間の〕妄想(時間の型枠・分別妄想・輪廻的あり方)に近づきません(輪廻しない・妄想しない)。見解に走り行く者ではなく、また、知恵の眷属(知識に結縛された者)でもありません。しかして、彼は、凡俗なる諸々の主義を知って、〔それらを〕放捨します──他者たちは、〔各自の見解に、各人各様に〕執持するとして。(17)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Na (na:adv.) 「せん。」
 brāhmaṇo (brāhmaṇa:m.sg.nom.) 「〔真の〕婆羅門は」
 kappamupeti < kappaṃ + upeti 連声(前語語尾ṃがmに変化)
  kappaṃ (kappa:n.sg.acc.) 「〔時間の〕妄想(時間の型枠・分別妄想・輪廻的なあり方)に」
  upeti (upeti:v.3.sg.pres.) 「近づきま」
 saṅkhā (saṅkhāti:v.ger.) 「〔正しく〕究明して」

(b)
 Na (na:adv.) 「はなく」
 diṭṭhisārī < diṭṭhi + sārī コンパウンド
  diṭṭhi (diṭṭhi:f.comp.) 「見解に」
  sārī (sārin:a.m.sg.nom.) 「走り行く者で」
 napi < na + api 連声(後語語頭aが消失)
  na (na:adv.) 「せん。」
  api (api:indecl.) 「また」
 ñāṇabandhu < ñāṇa + bandhu コンパウンド
  ñāṇa (ñāṇa:n.comp.) 「知恵の」
  bandhu (bandhu:m.sg.nom.) 「眷属(知識に結縛された者)でもありま」

(c)
 Ñatvā (jānāti:v.ger.) 「知って」
 ca (ca:conj.) 「しかして」
 so (so:pron.3.m.sg.nom.) 「彼は」
 sammutiyo (sammuti:f.pl.acc.) 「諸々の主義を」
 puthujjā (puthujja:a.f.pl.acc.) 「凡俗なる」

(d)
 Upekkhatī < upekkhati(韻律の関係でiがīに変化したと思われる) (upekkhati:v.3.sg.pres.) 「〔それらを〕放捨します」
 uggahaṇanti (uggahaṇati = uggaṇhāti:v.3.pl.pres.) 「〔各自の見解に、各人各様に〕執持するとして。」
 maññe < aññe(前語との連声でm挿入) (añña:a.pron.m.pl.nom.) 「他者たちは」


[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



(文責:脇坂)

4.13. 大きなまとまりの経 917. (910)


【経典文】
 Nivissavādī na hi subbināyo, Pakappitaṃ diṭṭhi purakkharāno;
 Yaṃ nissito tattha subhaṃ vadāno, Suddhiṃ vado tattha tathaddasā so.
(16)

【正田氏訳】
 〔特定の見解に〕固着して説く者は、まさに、導くに易き者ではありません。〔執着の対象として〕想い描かれた〔特定の〕見解を偏重している者です。それ(自説)に依存する者が、そこにおいて、『美しい(価値がある)』と説いているなら、彼は、〔自己だけの〕清浄を説く者であり、そこにおいて、そのとおり、〔彼だけの清浄を〕見たのです。(16)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Nivissavādī < nivissa + vādī コンパウンド
  nivissa (nivisati:v.ger.comp.) 「〔特定の見解に〕固着して」
  vādī (vādin:m.sg.nom.) 「説く者は」
 na (na:adv.) 「ません。」
 hi (hi:adv.) 「まさに」
 subbināyo (韻律の関係でaがāに変化したと思われる) (subbinaya:a.m.sg.nom.) 「導くに易き者ではあり」

(b)
 Pakappitaṃ (pakappita < pp. of pakappeti:a.f.sg.acc.) 「〔執着の対象として〕想い描かれた」
 diṭṭhi < diṭṭhiṃ (語尾ṃが韻律の関係で消失したと思われる) (diṭṭhi:f.sg.acc.) 「〔特定の〕見解を」
 purakkharāno (purakkharāna < ppr. of purakkharoti:a.m.sg.nom.) 「偏重している者です。」

(c)
 Yaṃ (ya:pron.f.sg.acc.) 「それ(自説)に」
 nissito (nissita < pp. of nissayati:a.m.sg.nom.) 「依存する者が」
 tattha (tattha:adv.) 「そこにおいて」
 subhaṃ (subha:a.f.sg.acc.) 「『美しい(価値がある)』と」
 vadāno (vadāna < ppr. of vadati:a.m.sg.nom.) 「説いているなら」

(d)
 Suddhiṃ (suddhi:f.sg.acc.) 「〔自己だけの〕清浄を」
 vado (vada:a.m.sg.nom.) 「説く者であり」
 tattha (tattha:adv.) 「そこにおいて」
 tathaddasā < tathā + addasā 連声(前語語尾āが消失)
  tathā (tathā:adv.) 「そのとおり」
  addasā (dassati = dakkhati:v.3.sg.aor.) 「〔彼だけの清浄を〕見たのです。」
 so (so:pron.3.m.sg.nom.) 「彼は」

[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。




(文責:脇坂)

4.13. 大きなまとまりの経 916. (909)


【経典文】
 Passaṃ naro dakkhati nāmarūpaṃ, Disvāna vā ñassati tānimeva;
 Kāmaṃ bahuṃ passatu appakaṃ vā, Na hi tena suddhiṃ kusalā vadanti.
(15)

【正田氏訳】
 〔他のものによって〕見ている人は、名前と形態(名色:現象世界)を、〔常住と〕見ます。あるいは、〔そのように〕見て、まさしく、それら(名前と形態)を、〔常住と〕知るのです。〔迷える者は〕欲するままに、多くを見よ──あるいは、少なくを。なぜなら、〔真の〕智者たちは、それ(邪見)によって、清浄を説かないからです。(15)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Passaṃ (passant < ppr. of passati:a.m.sg.nom.) 「〔他のものによって〕見ている」
 naro (nara:m.sg.nom.) 「人は」
 dakkhati (dakkhati = dassati:v.3.sg.pres.) 「〔常住と〕見ます。」
 nāmarūpaṃ < nāma + rūpaṃ コンパウンド
  nāma (nāma:n.comp.) 「名前と」
  rūpaṃ (rūpa:n.sg.acc.) 「形態を」

(b)
 Disvāna (dassati = dakkhati:v.ger.) 「〔そのように〕見て」
 vā (vā:conj.) 「あるいは」
 ñassati (jānāti:v.3.sg.fut.) 「〔常住と〕知るのです。」
 tānimeva < tāni + eva 連声(m挿入)
  tāni (taṁ:pron.3.n.pl.acc.) 「それら(名前と形態)を」
  eva (eva:adv.) 「まさしく」

(c)
 Kāmaṃ (kāmaṃ:adv.) 「欲するままに」
 bahuṃ (bahu:a.n.sg.acc.) 「多くを」
 passatu (passati:v.3.sg.imper.) 「〔迷える者は〕見よ」
 appakaṃ (appaka:a.n.sg.acc.) 「少なくを。」
 vā (vā:conj.) 「あるいは」

(d)
 Na (na:adv.) 「ない」
 hi (hi:conj.) 「なぜなら~からです。」
 tena (taṁ:pron.3.n.sg.instr.) 「それ(邪見)によって」
 suddhiṃ (suddhi:f.sg.acc.) 「清浄を」
 kusalā (kusala:a.m.pl.nom.) 「〔真の〕智者たちは」
 vadanti (vadati:v.3.pl.pres.) 「説か」


[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



(文責:脇坂)

4.13. 大きなまとまりの経 915. (908)


【経典文】
 Jānāmi passāmi tatheva etaṃ, Diṭṭhiyā eke paccenti suddhiṃ;
 Addakkhi ce kiñhi tumassa tena, Atisitvā aññena vadanti suddhiṃ.
(14)

【正田氏訳】
 『〔わたしは〕知る。〔わたしは〕見る。まさしく、そのとおりに、この〔清浄〕を』〔と〕、或る者たちは、見解によって清浄を信受します。もし、〔彼が〕見たとして、そのことが、自身にとって、まさに、何になるというのでしょう。〔道を〕外れて、〔彼らは〕他のもの(他者・他物)によって、清浄を説きます。(14)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Jānāmi (jānāti:v.1.sg.pres.) 「『〔わたしは〕知る。」
 passāmi (passati:v.1.sg.pres.) 「〔わたしは〕見る。」
 tatheva < tathā + eva 連声(前語語尾āが消失)
  tathā (tathā:adv.) 「そのとおりに」
  eva (eva:adv.) 「まさしく」
 etaṃ (etad:pron.f.sg.acc.) 「この〔清浄〕を』〔と〕」

(b)
 Diṭṭhiyā (diṭṭhi:f.sg.instr.) 「見解によって」
 eke (eka:a.m.pl.nom.) 「或る者たちは」
 paccenti (pacceti:v.3.pl.pres.) 「信受します」
 suddhiṃ (suddhi:f.sg.acc.) 「清浄を」

(c)
 Addakkhi (dakkhati = dassati:v.3.sg.aor.) 「〔彼が〕見たとして」
 ce (ce:conj.) 「もし」
 kiñhi < kiṃ + hi 連声(前語語尾ṃがñに変化)
  kiṃ (ka:pron.n.sg.nom.) 「何になるというのでしょう。」
  hi (hi:adv.conj.) 「まさに」
 tumassa (tuma:m.sg.dat./gen.) 「自身にとって」
 tena (taṁ:pron.3.n.sg.instr.) 「そのことが」

(d)
 Atisitvā (atisarati:v.ger.) 「〔道を〕外れて」
 aññena (añña:a.m.sg.instr.) 「他のもの(他者・他物)によって」
 vadanti (vadati:v.3.pl.pres.) 「〔彼らは〕説きます。」
 suddhiṃ (suddhi:f.sg.acc.) 「清浄を」


[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



(文責:脇坂)

« 2019年12月 | トップページ | 2020年2月 »