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カテゴリー「スッタニパータ 4章 八なるものの章」の記事

4.14. 迅速の経(13) 934. (927)


【経典文】
 Āthabbaṇaṃ supinaṃ lakkhaṇaṃ, No vidahe athopi nakkhattaṃ;
 Virutañca gabbhakaraṇaṃ, Tikicchaṃ māmako na seveyya.
(13)

【正田氏訳】
 魔術、夢〔占い〕、特相〔占い〕、しかして、また、星〔占い〕に関わらないように。しかして、わたしにならう者は、〔動物の〕叫び声〔による占い〕、懐妊術、医術に慣れ親しまないように。(13)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Āthabbaṇaṃ (āthabbaṇa:n.sg.acc.) 「魔術」
 supinaṃ (supina:m.n.sg.acc.) 「夢〔占い〕」
 lakkhaṇaṃ (lakkhaṇa:n.sg.ac.) 「特相〔占い〕」

(b)
 No (no:adv.) 「ない」
 vidahe (vidahati:v.3.sg.opt.) 「関わら…ように。」
 athopi < atho + api 連声(後語語頭aが消失)
  atho (atho:indecl.) 「しかして」
  api (api:indecl.) 「また」
 nakkhattaṃ (nakkhatta:n.sg.acc.) 「星〔占い〕に」

(c)
 Virutañca < virutaṃ + ca 連声(前語語尾ṃがñに変化)
  virutaṃ (viruta:n.sg.acc.) 「〔動物の〕叫び声〔による占い〕」
  ca (ca:conj.) 「しかして」
 gabbhakaraṇaṃ < gabbha + karaṇaṃ コンパウンド
  gabbha (gabbha:m.comp.) 「」
  karaṇaṃ (karaṇa:n.sg.acc.) 「懐妊術」

(d)
 Tikicchaṃ (tikiccha:m.sg.acc.) 「医術に」
 māmako (māmaka:a.m.sg.nom.) 「わたしにならう者は」
 na (na:adv.) 「ない」
 seveyya (sevati:v.3.sg.opt.) 「慣れ親しま…ように。」


[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



 

 

(文責:脇坂)

4.14. 迅速の経(12) 933. (926)

【経典文】
 Niddaṃ na bahulīkareyya, Jāgariyaṃ bhajeyya ātāpī;
 Tandiṃ māyaṃ hassaṃ khiḍḍaṃ, Methunaṃ vippajahe savibhūsaṃ.
(12)

【正田氏訳】
 眠りを多く為さないように。熱情ある者として、〔眠らずに〕起きていることに親しむように。倦怠、幻想、笑喜、遊興、淫欲を、〔身を〕飾り立てることと共に、捨棄するように。(12)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Niddaṃ (niddā:f.sg.acc.) 「眠りを」
 na (na:adv.) 「ない」
 bahulīkareyya (bahulīkaroti:v.3.sg.opt.) 「多く為さ…ように。」

(b)
 Jāgariyaṃ (jāgariyā:f.sg.acc.) 「〔眠らずに〕起きていることに」
 bhajeyya (bhajati:v.3.sg.opt.) 「親しむように。」
 ātāpī (ātāpin:a.m.sg.nom.) 「熱情ある者として」

(c)
 Tandiṃ (tandī:f.sg.acc.) 「倦怠」
 māyaṃ (māyā:f.sg.acc.) 「幻想」
 hassaṃ (hassa:n.sg.acc.) 「笑喜」
 khiḍḍaṃ (khiḍḍā:f.sg.acc.) 「遊興」

(d)
 Methunaṃ (methuna:n.sg.acc.) 「淫欲を」
 vippajahe (vippajahati:v.3.sg.opt.) 「捨棄するように。」
 savibhūsaṃ < sa + vibhūsaṃ 連声
  sa (sa:prep.) 「共に」
  vibhūsaṃ (vibhūsā:f.sg.acc.) 「〔身を〕飾り立てることと」

[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



 

(文責:脇坂)

 

4.14. 迅速の経(11) 932. (925)

【経典文】
 Jhāyī na pādalolassa, Virame kukkuccā nappamajjeyya;
 Athāsanesu sayanesu, Appasaddesu bhikkhu vihareyya.
(11)

【正田氏訳】
 瞑想者は、足の動転ある者(欲望の対象を求めて歩き回る者)として存さないように。悔い〔の思い〕を離れるように。〔常に気づきを〕怠らないように。しかし て、比丘は、音声少なき諸々の坐所と諸々の臥所に住むように。(11)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Jhāyī (jhāyin:m.sg.nom.) 「瞑想者は」
 na (na:adv.) 「ない」
 pādalolassa < pāda + lolo + assa 前二語はコンパウンド、第三語とは連声(第二語語尾oが消失)
  pāda (pāda:m.comp.) 「足の」
  lolo (lola:a.m.sg.nom.) 「動転ある者として」
  assa (atthi:v.3.sg.opt.) 「存さ…ように。」

(b)
 Virame (viramati:v.3.sg.opt.) 「離れるように。」
 kukkuccā (kukkucca:n.sg.abl.) 「悔い〔の思い〕を」
 nappamajjeyya < na + pamajjeyya 連声(pが挿入)
  na (na:adv.) 「ない」
  pamajjeyya (pamajjati:v.3.sg.opt.) 「〔常に気づきを〕怠ら…ように。」

(c)
 Athāsanesu < atha + āsanesu 連声(前語語尾aが消失)
  atha (atha:indecl.) 「しかして」
  āsanesu (āsana:n.pl.loc.) 「諸々の坐所と」
 sayanesu (sayana:n.pl.loc.) 「諸々の臥所に」

(d)
 Appasaddesu < appa + saddesu コンパウンド
  appa (appa:a.comp.) 「少なき」
  saddesu (sadda:m.>n.pl.loc.) 「音声」
 bhikkhu (bhikkhu:m.sg.nom.) 「比丘は」
 vihareyya (viharati:v.3.sg.opt.) 「住むように。」


[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
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 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

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(文責:脇坂)

4.14. 迅速の経(10) 931. (924)

【経典文】
 Annānamatho pānānaṃ, Khādanīyānaṃ athopi vatthānaṃ;
 Laddhā na sannidhiṃ kayirā, Na ca parittase tāni alabhamāno.
(10)

【正田氏訳】
 しかして、諸々の食べ物を、諸々の飲み物を、さらには、また、諸々の固形の食料を、諸々の衣を──〔それらを〕得ても、蓄積を為さないように。しかして、それらを得ないでいるとして、思い悩まないように。(10)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Annānamatho < annānaṃ + atho 連声(前語語尾ṃがmに変化)
  annānaṃ (anna:n.pl.dat./gen.) 「諸々の食べ物を」
  atho (atho:indecl.) 「しかして」
 pānānaṃ (pāna:m.pl.dat./gen.) 「諸々の飲み物を」

(b)
 Khādanīyānaṃ < khādaniyānaṃ (khādaniya < grd. of khādati:a.n.pl.dat./gen.) 「諸々の固形の食料を」
 athopi < atho + api 連声(後語語頭aが消失)
  atho (atho:indecl.) 「さらには」
  api (api:indecl.) 「また」
 vatthānaṃ (vattha:n.pl.dat./gen.) 「諸々の衣を」

(c)
 Laddhā (labhati:v.ger.) 「〔それらを〕得ても」
 na (na:adv.) 「ない」
 sannidhiṃ (sannidhi:m.sg.acc.) 「蓄積を」
 kayirā (karoti:v.3.sg.opt.) 「為さ…ように。」

(d)
 Na (na:adv.) 「ない」
 ca (ca:conj.) 「しかして」
 parittase (paritasati,paritassati:v.3.sg.opt.) 「思い悩ま…ように。」
 tāni (taṃ:pron.3.n.pl.acc.) 「それらを」
 alabhamāno (a(pref.) + labhamāna(< ppr. of labhati):a.m.sg.nom.) 「得ないでいるとして」

[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



 

(文責:脇坂)

 

4.14. 迅速の経(9) 930. (923)

【経典文】
 Phassena yadā phuṭṭhassa, Paridevaṃ bhikkhu na kareyya kuhiñci;
 Bhavañca nābhijappeyya, Bheravesu ca na sampavedheyya.
(9)

【正田氏訳】
 すなわち、〔病いに〕罹り〔飢えに〕襲われた者として存するとき、比丘は、どこにおいても、嘆き悲しみ〔の思い〕を為さないように。しかして、〔迷いの〕生存を渇望しないように。さらには、諸々の恐ろしいことに動揺しないように。(9)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Phassena (phassa:m.sg.instr.) 「〔病に〕罹り」
 yadā (yadā:adv.) 「すなわち~とき」
 phuṭṭhassa < phuṭṭho + assa 連声(前語語尾oが消失)
  phuṭṭho (phuṭṭha < pp. of phusati:a.m.sg.nom.) 「〔飢えに〕襲われた者として」
  assa (assa:v.3.sg.opt.) 「存する」

(b)
 Paridevaṃ (parideva:m.sg.acc.) 「嘆き悲しみ〔の思い〕を」
 bhikkhu (bhikkhu:m.sg.nom.) 「比丘は」
 na (na:adv.) 「ない」
 kareyya (karoti:v.3.sg.opt.) 「為さ…ように。」
 kuhiñci < kuhiṃ + ci 連声(前語語尾ṃがñに変化)
  kuhiṃ (kuhiṃ:adv.) 「どこにおいて」
  ci (ci:indecl.) 「も」

(c)
 Bhavañca < bhavaṃ + ca 連声(前語語尾ṃがñに変化)
  bhavaṃ (bhava:m.sg.acc.) 「〔迷いの〕生存を」
  ca (ca:conj.) 「しかして」
 nābhijappeyya < na + abhijappeyya 連声(前語語尾aが消失し後語語頭aがāに長音化)
  na (na:adv.) 「ない」
  abhijappeyya (abhijappati:v.3.sg.opt.) 「渇望し…ように。」

(d)
 Bheravesu (bherava:a.n.pl.loc.) 「諸々の恐ろしいことに」
 ca (ca:conj.) 「さらには」
 na (na:adv.) 「ない」
 sampavedheyya (sampavedhati:v.3.sg.opt.) 「動揺し…ように。」


[備考:略字・記号等]
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 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



 

 

(文責:脇坂)

4.14. 迅速の経(8) 929. (922)


【経典文】
 " Cakkhūhi neva lolassa, Gāmakathāya āvaraye sotaṃ;
 Rase ca nānugijjheyya, Na ca mamāyetha kiñci lokasmiṃ.
(8)

【正田氏訳】
 〔世尊は答えた〕「〔両の〕眼による動転ある者(眼による刺激を探し求める者)として、まさしく、存さないように。村の言説(卑俗な話)から、耳を遠ざけるように。しかして、味について貪り求めないように。さらには、世において、何であれ、わがものと〔錯視〕しないように。(8)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Cakkhūhi (cakkhu:n.pl.instr.) 「「〔両の〕眼による」
 neva < na + eva 連声(前語語尾aが消失)
  na (na:adv.) 「ない」
  eva (eva:adv.) 「まさしく」
 lolassa < lolo + assa 連声(前語語尾oが消失)
  lolo (lola:a.m.sg.nom.) 「動転ある者として」
  assa (atthi:v.3.sg.opt.) 「存さ…ように。」

(b)
 Gāmakathāya < gāma + kathāya コンパウンド
  gāma (gāma:m.comp.) 「村の」
  kathāya (kathā:f.sg.abl.) 「言説(卑俗な話)から」
 āvaraye (āvarati:v.3.sg.opt.) 「遠ざけるように。」
 sotaṃ (sota:n.sg.acc.) 「耳を」

(c)
 Rase (rasa:m.sg.loc.) 「味について」
 ca (ca:conj.) 「しかして」
 nānugijjheyya < na + anugijjheyya 連声(前語語尾aが消失し後語語頭aがāに長音化)
  na (na:adv.) 「ない」
  anugijjheyya (anugijjhati:v.3.sg.opt.) 「貪り求め…ように。」

(d)
 Na (na:adv.) 「ない」
 ca (ca:conj.) 「さらには」
 mamāyetha (mamāyati:v.3.sg.opt.med.) 「わがものと〔錯視〕し…ように。」
 kiñci < kiṃ + ci 連声(前語語尾ṃがñに変化)
  kiṃ (ka:pron.n.sg.acc.) 「何」
  ci (ci:indecl.) 「であれ」
 lokasmiṃ (loka:m.sg.loc.) 「世において」



[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。


 

(文責:脇坂)

4.14. 迅速の経(7) 928. (921)


【経典文】
 " Akittayī vivaṭacakkhu, Sakkhidhammaṃ parissayavinayaṃ;
 Paṭipadaṃ vadehi bhaddante, Pātimokkhaṃ atha vāpi samādhiṃ ".
(7)

【正田氏訳】
 〔対話者が尋ねた〕「開かれた眼ある方よ、〔あなたは〕述べ伝えてくれました──自ら体現した法(真理)として、危難を取り除くことを。あなたに、幸せ〔有れ〕。〔実践の〕道を説いてください。戒条(波羅提木叉:戒律条項)を〔説いてください〕。しかして、あるいは、また、〔心の〕統一(定:三昧の境地)を〔説いてください〕」〔と〕。(7)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Akittayī (kitteti:v.2.sg.aor.) 「〔あなたは〕述べ伝えてくれました」
 vivaṭacakkhu < vivaṭa + cakkhu コンパウンド
  vivaṭa (vivaṭa:a.comp.) 「「開かれた」
  cakkhu (cakkhu:n.>m.sg.voc.) 「眼ある方よ」

(b)
 Sakkhidhammaṃ < sakkhi + dhammaṃ コンパウンド
  sakkhi (sakkhi:m.comp.) 「自ら体現した」
  dhammaṃ (dhamma:m.sg.acc.) 「法(真理)として」
 parissayavinayaṃ < parissaya + vinayaṃ コンパウンド
  parissaya (parissaya:m.comp.) 「危難を」
  vinayaṃ (vinaya:m.sg.acc.) 「取り除くことを」

(c)
 Paṭipadaṃ (paṭipadā:f.sg.acc.) 「〔実践の〕道を」
 vadehi (vadati:v.2.sg.imper.) 「説いてください。」
 bhaddante < bhaddaṃ + te 連声(前語語尾ṃがnに変化)
  bhaddaṃ (bhadda:a.n.sg.nom.) 「幸せ〔有れ〕。」
  te (tvaṁ:pron.2.sg.dat.) 「あなたに」

(d)
 Pātimokkhaṃ (pātimokkha = pāṭimokkha:n.sg.acc.) 「戒条(波羅提木叉:戒律条項)を〔説いてください〕。」
 atha (atha:indecl.) 「しかして」
 vāpi < vā + api 連声(後語語頭aが消失)
  vā (vā:adv.conj.) 「あるいは」
  api (api:indecl.) 「また」
 samādhiṃ (samādhi:m.sg.acc.) 「〔心の〕統一(定:三昧の境地)を〔説いてください〕」〔と〕。」


[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



 

(文責:脇坂)

4.14. 迅速の経(6) 927. (920)


【経典文】
 Majjhe yathā samuddassa, Ūmi no jāyatī ṭhito hoti;
 Evaṃ ṭhito anejassa, Ussadaṃ bhikkhu na kareyya kuhiñci”.
(6)

【正田氏訳】
 たとえば、海の中では波が立たず、〔全てが〕安立したものとして有るように、このように、〔心が〕安立した動揺なき者として存するように。比丘は、どこにおいても、増長〔の思い〕を為さないように」〔と〕。(6)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Majjhe (majjha:a.m./n.sg.loc.) 「中では」
 yathā (yathā:adv.) 「たとえば~ように」
 samuddassa (samudda:m.sg.dat./gen.) 「海の」

(b)
 Ūmi (ūmi:f.sg.nom.) 「波が」
 no (no = na:adv.) 「ず」
 jāyatī < jāyati (jāyati < pass. of janati:v.3.sg.pres.) 「立た」
 ṭhito (ṭhita < pp. of tiṭṭhati:a.m.sg.nom.) 「〔全てが〕安立したものとして」
 hoti (hoti:v.3.sg.pres.) 「有る」

(c)
 Evaṃ (evaṃ:adv.) 「このように」
 ṭhito (ṭhita < pp. of tiṭṭhati:a.m.sg.nom.) 「〔心が〕安立した」
 anejassa < anejo + assa 連声(前語語尾oが消失)
  anejo (aneja:a.m.sg.nom.) 「動揺なき者として」
  assa (atthi:v.3.sg.opt.) 「存するように。」

(d)
 Ussadaṃ (ussada:m.sg.acc.) 「増長〔の思い〕を」
 bhikkhu (bhikkhu:m.sg.nom.) 「比丘は」
 na (na:adv.) 「ない」
 kareyya (karoti:v.3.sg.opt.) 「為さ…ように」〔と〕。」
 kuhiñci < kuhiṃ + ci 連声(前語語尾ṃがñに変化)
  kuhiṃ (kuhiṃ:adv.) 「どこにおいて」
  ci (ci:indecl.) 「も」



[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。



 

(文責:脇坂)

4.14. 迅速の経(5) 926. (919)


【経典文】
 Ajjhattamevupasame, Na aññato bhikkhu santimeseyya;
 Ajjhattaṃ upasantassa, Natthi attā kuto nirattā vā.
(5)

【正田氏訳】
 比丘は、内こそを、寂止するように。他のものから、寂静を探し求めないように。内なる寂静に、自己は存在しません。あるいは、自己ではないものが、どうして、〔存在するというのでしょう〕。(5)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Ajjhattamevupasame < ajjhattaṃ + eva + upasame 連声(第一語語尾ṃがmに変化、第二語語尾aが消失)
  ajjhattaṃ (ajjhatta:a.n.sg.acc.) 「内…を」
  eva (eva:adv.) 「こそ」
  upasame (upasamati:v.3.sg.opt.) 「寂止するように。」

(b)
 Na (na:adv.) 「ない」
 aññato (añña:a.pron.m./n.sg.abl.) 「他のものから」
 bhikkhu (bhikkhu:m.sg.nom.) 「比丘は」
 santimeseyya < santiṃ + eseyya 連声(前語語尾ṃがmに変化)
  santiṃ (santi:f.sg.acc.) 「寂静を」
  eseyya (esati:v.3.sg.opt.) 「求め…ように。」

(c)
 Ajjhattaṃ (ajjhatta:a.n.sg.acc.) 「内なる」
 upasantassa (upasanta < pp. of upasamati:a.n.sg.dat./gen.) 「寂静に」

(d)
 Natthi < na + atthi 連声(前語語尾aが消失)
  na (na:adv.) 「せん。」
  atthi (atthi:v.3.sg.pres.) 「存在しま」
 attā (attan:m.sg.nom.) 「自己は」
 kuto (kuto < abl. of ku:adv.) 「どうして〔存在するというのでしょう〕。」
 nirattā (nirattan:a.m.sg.nom.) 「自己でないものが」
 vā (vā:adv.conj.) 「あるいは」



[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。

 

(文責:脇坂)

4.14. 迅速の経(4) 925. (918)

(ご無沙汰しております。今年3月~5月の実習会は、新型コロナウイルス感染症防止対策のために中止となりましたが、6月は誠にありがたく13日土曜日に開催となりました。ただ、当ブログの更新については、担当者の個人的事情で遅くなりお待たせしまして、申し訳ありませんでした。久々の更新で、アップロードのやり方を思い出すのにも時間がかかりました。)

 

【経典文】
 Seyyo na tena maññeyya, Nīceyyo atha vāpi sarikkho;
 Phuṭṭho anekarūpehi, Nātumānaṃ vikappayaṃ tiṭṭhe.
(4)

【正田氏訳】
 それによって、〔他者より〕『より勝る』〔と〕思わないように。『より劣る』〔と〕、しかして、あるいは、また、『等しい』〔と思わないように〕。無数なる形態〔の特質〕を体得したとして、自己を〔あれこれと〕想い描きながら、〔世に〕止住しないように。(4)

【文法的分解と単語訳】
(a)
 Seyyo (seyya:a.m.sg.nom.) 「〔他者より〕『より勝る』〔と〕」
 na (na:adv.) 「ない」
 tena (taṁ:pron.3.n.sg.instr.) 「それによって」
 maññeyya (maññati:v.3.sg.opt.) 「思わ…ように。」

(b)
 Nīceyyo (nīceyya < compar.(比較級) of nīca:a.m.sg.nom.) 「『より劣る』〔と〕」
 atha (atha:indecl.) 「しかして」
 vāpi < vā + api 連声(後語語頭aが消失)
  vā (vā:adv.conj.) 「あるいは」
  api (api:indecl.) 「また」
 sarikkho (sarikkha:a.m.sg.nom.) 「『等しい』〔と思わないように〕」

(c)
 Phuṭṭho (phuṭṭha < pp. of phusati:a.m.sg.nom.) 「体得したとして」
 anekarūpehi < aneka + rūpehi コンパウンド
  aneka (aneka:a.comp.) 「無数なる」
  rūpehi (rūpa:n.pl.instr.) 「形態〔の特質〕を」

(d)
 Nātumānaṃ < na + ātumānaṃ 連声(前語語尾aが消失)
  Na (na:adv.) 「ない」
  ātumānaṃ (ātuman:m.sg.acc.) 「自己を」
 vikappayaṃ (vikappayant/vikappayat < ppr. of vikappayati = vikappeti:a.m.sg.nom.) 「〔あれこれと〕想い描きながら」
 tiṭṭhe (tiṭṭhati:v.3.sg.opt.) 「〔世に〕止住し…ように。」

 


[備考:略字・記号等]
 m. masculine 男性
 n. neutral 中性
 f. feminine 女性
 pron. pronoun 代名詞
 a. adjective 形容詞
 num. numeral 数詞
 ppr. present participle 現在(能動)分詞
 pp. past participle 過去(受動)分詞
 grd. gerundive 義務分詞,未来受動分詞
 v. verb 動詞
 indecl. indeclinable 不変化詞(不変語):副詞,接続詞,間投詞,前置詞を含む総称
 adv. adverb 副詞
 conj. conjunction 接続詞
 interj. interjection 間投詞
 prep. preposition  前置詞
 pref. prefix 接頭辞
 suf. suffix 接尾辞
 1. the first person 一人称
 2. the second person二人称
 3. the third person三人称
 sg. singular 単数
 pl. plural 複数
 nom. nominative 主格
 acc. accusative 対格
 inst. instrumental 具格
 abl. ablative 奪格
 dat. dative 与格
 gen. genitive 属格
 loc. locative 処格
 voc. vocative 呼格
 comp. compound コンパウンド(複合詞,合成語)であり、次の語句と、語基等のまま(数・格なし)で結合していることを表す。
 pres. present 現在
 aor. aorist アオリスト
 pf. perfect 完了
 fut. future 未来
 imper. imperative 命令形
 opt. optative 願望法
 cond. conditional 条件法
 ger. gerund 連続体
 inf. infinitive 不定体
 pass. passive 受動動詞
 caus. causative 使役動詞
 denom.  denominative 名動詞
 med. medium 為自言(middle)(refl. reflective 反照態)

 < 二語以上が結合している場合の構成や、単語の成り立ちを後ろに記す。
  (例:「kuhiñci < kuhiṁ + ci 連声」は、kuhiñciはkuhiṁとciの連声であるという意味)
  (例:「sata < pp. of sarati」は、sataはsaratiという動詞の過去受動分詞であるという意味)
 > 解釈や修飾語句による性の変化を記す。
  (例:「n.>m.」は、本来中性だがここでは男性の曲用をしているという意味)
 / 他にも可能な訳や解釈を後ろに記す。
  (例:「dat./gen.」は、与格と属格両方の可能性があるという意味)

 なお、タイトルに記している二つの偈番号は、一つめが底本であるタイ版[国際版]パーリ三蔵(第六結集版を改訂したもの)に記載されている偈番号で、二つめの括弧内の番号がPTS版の偈番号です。

 当勉強会(神戸ダンマサークル「関西パーリ語実習会」)では、現在、スッタニパータ4章のパーリ語原文を教材に、文法解析学習をしています。教材や資料についてご関心がありましたら、こちらのURL→http://tipitaka.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-f276bb.htmlの記事をどうぞご覧ください。




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