2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ

カテゴリー「パーリ語について」の記事

パソコン・タブレット・スマホでのパーリ語ローマ字表記入力方法

■ はじめに

 パーリ語に興味のある皆様のご参考までに、通常のパソコンやタブレット・スマホに入っているフォントを使って、ローマ字表記*のパーリ語を入力する方法をご紹介します。

 今回紹介する方法では、しくみとしてUnicodeという文字コードを用いていますので、特殊なフォントのダウンロードやインストールは必要なく、キーボードのキー配列もそのままの状態で普通に文字入力できます。そして、英語には用いられていない(キーボードにない)アルファベット、すなわち、ā などの符号つき特殊アルファベットについては、一字ずつ便宜的な読みを付けて単語登録しておく方法をお勧めしています。こうしておけば、以後は、普通の漢字変換などと同様に簡単に入力でき、たいていのソフト(ブラウザ、メール、テキストエディタ、ワープロ、表計算など)でローマ字表記のパーリ語を扱うことができるようになります。

*「ローマ字表記」についての参考情報
 世界の言語の種類は数千あると言われますが、文字の種類は数百しかありません。もともと文字をもたない言語は他から文字を借りてきて使います(ちなみに、日本語は、漢字を借用しつつ、独自に仮名文字を生み出して用いており、これほど融合された混用は唯一だそうです)。
 その中で、ローマ字(ラテン・アルファベット、ラテン文字とも言う。古代イタリアでラテン語の表記のためにギリシア文字から作られたもの)は、おそらく最も多くの言語(イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、英語、ドイツ語、チェコ語、ポーランド語、ハンガリー語、フィンランド語、インドネシア語、ベトナム語、フィリピノ語、ポリネシア諸語、スワヒリ語、ヨルバ語、トルコ語など)に使用されている文字だと言えるかもしれません。
 そして、ご存じの通り、パーリ語の経典は、セイロン文字、ビルマ文字、タイ文字、カンボジア文字、デーヴァナーガリー、ローマ字など、国それぞれでなじみのある文字を使って記録・伝承されており、ローマ字(基本ラテン・アルファベット21字 a b c d e g h i j k l m n o p r s t u v y 単独または組み合わせに加え、符号つきアルファベット11字 ā ī ū ṭ ḍ ḷ ṅ ñ ṇ ṁまたはṃ を用いた)表記は、西洋のみならず日本でも最も一般的に使われています。
 以下の記事は、主に、これら符号つきアルファベットをどうやってパソコン等で入力するのかについて書いています(それゆえパーリ語限定の話というわけではありません。ドイツ語のウムラウト(ä,ö,ü)、フランス語のアクサン記号付きの文字(アクサン・テギュの付いたé、アクサン・グラーヴの付いたè,à,ù、アクサン・シルコンフレックスの付いたâ,ê,î,ô,û)なども、下記と同じやり方で入力できます。ただし、対応フォントは大きく異なります)。
 (参考文献:町田和彦編『図説 世界の文字とことば』河出書房新社・2009年、水野弘元著『パーリ語文法』山喜房佛書林・1955年)

(2018/02初版作成、2019/07大幅加筆)

 

■ 使用機器・環境別の読む順序

  • パソコンに、Microsoft OfficeのワープロソフトWordや、無料のLibreOfficeのワープロソフトWriterがインストールされている場合は、手順1→3→4→5と進んでください。一方、それらWordWriterがインストールされていない場合は、手順2→3→4→5と進んでください。
  • パソコンを使うが「操作が苦手だし、なるべくなら長い説明は読みたくない」「理屈よりも手っ取り早く実現させたい」という方や、手順12でうまくいかなかった場合は、手順3→4→5と進んでください。
  • タブレット・スマホを使う場合は、手順12は無関係ですので、手順3→4→5と進んでください。

 

 ※感謝と弁明:勉強会で学びを共にする方々からのご相談や成功報告に深く感謝申し上げます。この記事が以前より充実したものになっているとすれば、皆様のおかげです。とはいえ、誤りはすべて執筆担当者の責任です。MacLinuxをほぼまともに使ったことがなく、タブレット・スマホもあまり使っておりませんので、これらに関しては、教えてくださった方からの情報の他には、ネット情報、短時間触っただけの経験と推測で書いている部分が多く、さまざまな説明不足や間違いがあるかもしれないことをお断りしておきます。

 

■ 手順1(パソコンにWordやWriterがインストールされている場合)

(注:それぞれWindows版で実験しましたのでそれにもとづいて説明しますが、おそらくMac版のWordMac版・Linux版のWriterでも同様だろうと推測します。

 (1).Wordの画面では、[挿入]タブ-[記号と特殊文字]-[その他の記号]を順にクリックしていきます。Writerの画面では、「挿入」メニューから「記号と特殊文字」をクリックします。

 (2).Wordの場合、出てきたウィンドウ内で、「コード体系」をUnicode16進)にし、「フォント」をTimes New Romanなどにします。Writerの場合、出てきたウィンドウ内で、「フォント」をTimes New Romanなどにします。(フォントの選択については手順3を参照してください。)

 (3).そして、Wordの場合、「種類」を「ラテン拡張A」にすれば、āīū が、「ラテン拡張追加」にすれば、ṭ、ḍ、ḷ、ṅ、ṇ、ṁ、ṃ が、「ラテン1補助」にすれば、ñ が、それぞれ一覧の中にありますので、それぞれの文字を選んで、[挿入]ボタンをクリックします。Writerの場合は、「サブセット」を「ラテン拡張文字A」にすれば、āīū が、「ラテン拡張文字追補」にすれば、ṭ、ḍ、ḷ、ṅ、ṇ、ṁ、ṃ が、「ラテン文字1」にすれば、ñ が、それぞれ一覧の中にありますので、それぞれの文字を選んで、[挿入]ボタンをクリックします。各大文字も同様です。

 それでは、次に、手順3へ進んでください。

 

■ 手順2(パソコンにWordやWriterがインストールされていない場合:WindowsかMacで)

▼【Windowsの場合】

 (0).Windowsに標準で入っているMicrosoft-IME(以下MS-IMEと略す)またはATOKを使いますので、現在Google日本語入力など他のものをメインの日本語入力システム(IME)にしている場合は、事前に、MS-IMEまたはATOKに切り替えておいてください(これは一時的で構いません。ここの(3)まで終わったら、元に戻してください)。切り替えの仕方は、Windowsキーを押さえながらスペースキーです。

 (1).「メモ帳」や「ワードパッド」などの新規作成画面(ワープロソフトでもメーラーでも、文字が打てればたいていどのソフトでも可)を出しておいて、MS-IMEなら、その言語バー内の「ツール」をクリックし、「IMEパッド」をクリックします。ATOKなら、その言語バー内の「メニュー」をクリックし、「文字パレット」をクリックします。

 (2).次に、MS-IMEの場合は、出てきたIMEパッドの画面にて、左側メニューで「文字一覧」を選び、「Unicode(基本多言語面)」というフォルダが展開していることを確認し、フォントをTimes New Romanなどにします。ATOKの場合は、出てきたATOK文字パレットの画面で、「Unicode表」のタブに切り替え、フォントをTimes New Romanなどにします。(フォントの選択については手順3を参照してください。)

 (3).そして、MS-IMEの場合は「Unicode」のところを、ATOKの場合は「見出し」のところを、「ラテン文字拡張A」に切り替えれば、āīū が、「ラテン文字拡張追加」に切り替えれば、ṭ、ḍ、ḷ、ṅ、ṇ、ṁ、ṃ が、「ラテン1補助」に切り替えれば、ñ が、それぞれ一覧の中にありますので、それぞれの文字を選んで、[挿入]ボタンをクリックします。各大文字も同様です。なお、IMEパッドやATOK文字パレットのウィンドウは、なるべく大きくしておいたほうが、文字を探しやすいと思います。

 それでは、次に、手順3へ進んでください。

 

▼【Macの場合】

 (1).「テキストエディット」(Dock内の「Launchpad「その他」にあり)や「Pages」(Dock内にあり)の新規作成画面(ワープロソフトでもメーラーでも、文字が打てればたいていどのソフトでも可)を出したら、メニューバーの右の方にある、「A」や「あ」などと表示されている文字入力のアイコンをクリックし、「文字ビューア」あるいは「絵文字と記号を表示」をクリックします。(なお、古いMac の場合で、もし「文字ビューア」というメニューが表示されていなければ、まず先に「"日本語"環境設定を開く」をクリックし、「メニューバーにキーボードビューアと絵文字ビューアを表示」にチェックしておきます。または、システム環境設定アプリから、「キーボード」→「キーボード」タブにある「メニューバーにキーボードビューアと文字ビューアを表示」にチェックを入れておきます。)

 (2).こうして出した画面で、左側メニューに「ラテン文字」または「分音符付きラテン」というカテゴリがあれば、それを選びます。Yosemite以降の新しいMacの場合は、左上の歯車マークをクリックして、「リストをカスタマイズ…」をクリックし、「ヨーロッパアルファベット」の中の「ラテン文字」にチェックを入れて「完了」をクリックしてから、左側メニュー内にできた「ラテン文字」というカテゴリを選びます。

 (3).そして、その「分音符付きラテン」カテゴリ、または、「ラテン文字」カテゴリ内の下部にある「分音符付きラテン文字」のなかから、āīū、ṭ、ḍ、ḷ、ṅ、ṇ、ṁ、ṃ、ñ を探し、それぞれの文字を選びます。各大文字も同様です。Macの場合、アルファベット順なので探しやすいと思います。

 それでは、次に、手順3へ進んでください。

 

(もしも、手順12の憶測的な記述に誤りがあって「見つからず、入力できない」という場合、申し訳ございませんが、どうか諦めず、代替策として手順3→4→5と試して頂ければ実現可能と思いますので、よろしくお願いします。)

 

■ 手順3 フォント(書体)の選択について

 ※ 上記の手順1または2の結果、パーリ語に必要な符号つきアルファベットのみが文字化けする状態になっている場合には、ぜひ、こちらの手順3をお読みいただき、各ソフト・アプリにおいて、フォントの変更を試みてください。

 ※ 一方、いま特に表示に問題がない場合は、ここは、手順というよりも、後々、好みに応じてフォントを変更しようと思った際に必要になる情報だと捉えていただき、今は、参考程度に軽くお読みいただければと思います。

 ※ そもそも手順12を飛ばしてここに来られた場合や、手順12でうまくいかなかった場合は、今は、ここは軽く読んでおき、手順5まで終わりましたら、その際に文字化けがないかどうかを確認し、もし不具合があれば、改めてこの手順3をお読みいただき、各ソフト・アプリにおいて、フォントの変更を試みてください。

 

 さて、パーリ語ローマ字表記に適しているフォントというのは、個人的には、例えば、aと、āaの部分、nと、ṅやñやṇのnの部分などが同じに(違和感なく)見えるフォントだと思います。これは言い換えますと、そのフォントの中に、Unicodeという文字コードのBasic Latin(基本ラテン)にあたる字形だけでなく、Latin-1 Supplement(ラテン文字1補助)、Latin Extended-A(ラテン文字拡張A、ラテン拡張文字A)、Latin Extended Additional(ラテン文字拡張追加、ラテン拡張文字追補)というカテゴリに該当する字形を多く収録していて、上記のパーリ語ローマ字表記に必要な符号つきアルファベットの字形をもれなく収録している欧文フォントだということになります。

 

 ちなみに、上記の手順12で説明したとおり、āīū は「Latin Extended-A」に属し、ṭ、ḍ、ḷ、ṅ、ṇ、ṁ、ṃ は「Latin Extended Additional」に属し、ñ は「Latin-1 Supplement」に属します。ついでに参考までにメモしますと、āなどは「Latin Small Letter ○ with Macron」、ṭなどは「Latin Small Letter ○ with Dot Below」、ṅなどは「Latin Small Letter ○ with Dot Above」、ñは「Latin Small Letter N with Tilde」と言います。

 

 パソコンで何十種類かのフォントを試してみたところ、Unicode対応欧文フォントのすべてが、符号つきアルファベットのすべての字形を収録しているとは限らないことがわかりました。条件を満たすフォントはかなり限定されるとお考えください。そのうち、標準でパソコンに搭載されている可能性の高い、有名どころの例をあげてみますと、セリフフォント(和文フォントの明朝体などに対応する、どちらかと言うと本文用、印刷用途)なら、Times New RomanTimesCambriaMicrosoft SerifEbrimaなど、サンセリフフォント(和文フォントのゴシック体に対応する、どちらかと言うと見出し用、画面表示用途)なら、ArialCalibriMicrosoft Sans SerifSegoe UITahomaHelveticaOsakaMenloなどが該当します。

 

 無料でダウンロードできるフォントでも、条件を満たすものがいくつかあります(GoogleNoto SerifNoto Sansなど)。興味ある方は、シミュレーションできるサイトで色々試して、条件を満たす、お好みのフォントをお探しください。例えば、Google Fontshttps://fonts.google.com/)で、Customの「Type something」と書かれた空欄に、試しに、aāiīuūmṁṃnñtdlAĀIĪUŪMṀṂNÑTDLḶを入れてみて、いわゆる「豆腐」マーク(文字化けを意味する□というマーク)が一つもなく、すべての字形が違和感なく表示されている状態が確認できれば、それは使えるフォントだと分かります。

 

 スマホの場合、OSのバージョンや機器メーカーによって、標準フォントが異なるようです。今このブログ記事をスマホでご覧になっていて、aāiīuūmṁṃnṇñṅtṭdḍlḷAĀIĪUŪMṀṂNṆÑṄTṬDḌLḶが文字化けなく表示されていれば問題ありませんのでフォントの変更は必要ないということになります。

 

 それでは、次に、手順4へ進んでください。

 

■ 手順4

 上記13の作業は、パソコン向けの情報で、しかも、説明的な手順であり、毎回行うのは面倒であり、現実的ではないと思います。ということで、ここからは、パソコン、タブレット・スマホすべてにあてはまる現実的な方法と最後の手順を書きます。次の2通りあります。

 

  • 方法A : どこかのファイルにāīūṁṃṇñṅṭḍḷĀĪŪṀṂṆÑṄṬḌḶを保存しておいて、その都度コピー&ペーストする、という方法です。このやり方で良いという人には、これ以上説明は不要だと思いますので、ここで話は終了です。次の方法Bが「難しい」、「試してみたけど、自分の機器ではうまくいかなかった」という場合は、こちらの方法でやってください。

 

  • 方法B : āīūṁṃṇñṅṭḍḷĀĪŪṀṂṆÑṄṬḌḶを一字ずつ、日本語変換入力システムやユーザー辞書に、覚えやすい便宜的な「よみ」を付けて単語登録しておいて(例えば、āなら「あー」などと付けて登録して)、漢字変換と同様の要領で出す、という方法です。個人的には、いちど手間をかけておけば後々楽なこちらの方法をお勧めします。次の手順5で、機器ごとにやり方を説明しますので、進んでください。

 

■ 手順5

 下記の各▼印で機器・環境別に書いていますが、ひと言で言えば、単語登録方法の説明を書いています。説明の重複を避けるため、先頭の【Windows MS-IMEの場合】以外の説明文には、(以下同上)という形で文章を省略している部分がありますので、機器の種類にかかわらず、皆様全員、先頭の【Windows MS-IMEの場合】の説明文をあらかじめ読んでから、機器別の内容へお進みください。

 なお、手順12を飛ばして来られた方は、今からこのブログ画面上で、右記の文字列(āīūṁṃṇñṅṭḍḷĀĪŪṀṂṆÑṄṬḌḶ)を丸ごとまたは一字ずつ範囲選択・コピーしていただく必要があります。 

(備考:このブログ記事を見ているブラウザから「āīūṁṃṇñṅṭḍḷĀĪŪṀṂṆÑṄṬḌḶ」を一つずつコピーしても全く問題ありませんが、いったんどこかに貼り付けておき、(ブラウザを閉じ、ネット回線を切断してから)後でゆっくり作業しようという場合は、仮の保存・作業場所として、標準で入っている、簡易的な文章編集ソフト・アプリが十分その役目を果たします。Windowsなら「メモ帳」や「ワードパッド」、Macなら「テキストエディット」や「Pages」、iPhone,iPadなら「メモ App」、Androidなら「メモ帳」などです。)

 

▼【Windows MS-IMEの場合】

 タスクバー右の方の言語バー、または、通知領域内の「A」や「あ」というマークを右クリックし、そのMS-IMEのメニュー内の「単語の登録」をクリックして、単語登録画面を出します(Windows10ですと標準で言語バーがないそうですので、その場合は、[Ctrl]キーを押さえながら[F7]キーで単語登録画面を出します)。

 そして、「単語」のところに「ā」を貼り付け(なお、最初に「ā」を範囲選択してから単語登録画面を出せば、すでに入力済みになっています)、「よみ」のところに、例えば「あー」など、自分が覚えやすい便宜的な読み方(ひらがなで2字以上にしておくのが無難です)を入れ、「登録」ボタンをクリックします。おそらく、品詞は何でもいいと思います。これで次からは、文字入力が出来るたいていのソフトで、「あー」と打って、変換操作をすれば、「ā」が変換候補に出てきて、入力することができます。

 これを他の文字(īūṁṃṇñṅṭḍḷĀĪŪṀṂṆÑṄṬḌḶ)についても一字ずつ同様に行っておけばよいわけです。

 他の字の読みの無難な例を示しますと、次の通りです。「ī」は「いー」、「ū」は「うー」、「」や「」は両方とも*「えむ」、「」「ñ」「」は3つとも*「えぬ」、「」は「てぃ」、「」は「でぃ」、「」は「える」。大文字も同じ*読みで大丈夫です。 * 読みが重複していても大丈夫です。変更候補のなかから選んで入力できます。

 

▼【Windows ATOKの場合】

 ATOKバーのメニューから「単語登録」をクリックしますと(または、[Ctrl]+[F7]で)、「ATOK 単語登録」の画面が出ますので、「単語」欄に「ā」を貼り付け(上と同様、最初に「ā」を範囲選択してから画面を出せば、すでにāが入力済み)、「読み」欄に「あー」などを入れます(なお、WindowsATOKでのみ、全角英字1字で読みを登録してもOKであることを確認しております。例えば、単語が「ṁ」で、読みが「m」としても、ちゃんと変換・入力できます。他のOSや環境下ではほぼNGだと思いますのでご注意ください)。これで次からは……(以下同上)。

 

▼【Windows Google日本語入力の場合】

 Google日本語入力の言語バーの「ツール」をクリックし、「単語登録」をクリックします。そして、「単語」欄に「ā」を貼り付け、「よみ」欄に「あー」などを入れ、「OK」ボタンをクリックします。これで次からは……(以下同上)。

 

▼【旧来のMacOSの場合】

 メニューバーの右の方にある、「A」や「あ」などと表示されている文字入力のアイコンをクリックして「単語登録/辞書編集」をクリックしますと、「ことえり単語登録」の画面が出ますので、その画面内にて、上部の「登録」ボタンを押し、単語欄に「ā」を貼り付け、よみ欄に「あー」など(必ずひらがなで2字以上)を入れます。下部の「登録」ボタンを押します。これで次からは……(以下同上)。

 

▼【Yosemite以降のMacOSの場合】

 メニューバーの右の方にある、「A」や「あ」などと表示されている文字入力のアイコンをクリックして「ユーザ辞書を編集」をクリックすると、「キーボード」の「ユーザー辞書」が開きますので、そこの左下「+」ボタンをクリックし、「変換」欄に「ā」を貼り付け、「入力」欄に「あー」など(必ずひらがなで2字以上)を入れます。これで次からは……(以下同上)。

 

▼【iPhoneiPadの場合】

 「設定」アプリ→「一般」→「キーボード」→「ユーザ辞書」とタップしていきます。そして、「+」ボタンをタップし、「単語」欄に「ā」を貼り付け、「よみ」欄に「あー」など(必ずひらがなで2字以上)を入れ、「保存」をタップします。これで次からは……(以下同上)。

 

▼【Android Google日本語入力の場合】

 「設定」アプリ→「言語と入力」→「Google日本語入力」「辞書ツール」とタップしていきます。「+」をタップし、「単語」欄に「ā」を貼り付け、「よみ」欄に「あー」を入れます。これで次からは……(以下同上)。

 

▼【Android ATOKの場合】

 「ATOK」アプリ「ユーザー辞書編集」をタップします。右上のメニューをタップして「新規登録」をタップします。「単語」欄に「ā」を貼り付け、「読み」欄に「あー」を入れ、「登録」をタップします。これで次からは……(以下同上)。

 

 以上、ご参考になれば幸いです。

(文責:脇坂)

パーリ語のローマ字とカナ読み

【パーリ語のローマ字とカナ読み

読みのカナが振られていないパーリ語の単語や文章を見たときに、それを声に出して読んでみたい、または、どういう法則でカナが振られているのか知りたい、と思った方のためにパーリ語のローマ字とカナ読みについての説明文を書いてみました。日本語的なカタカナ発音レベルで書いておりますので、理解不足でおかしいところや誤りもあるかもしれないということをあらかじめお断り申し上げます。今後、勉強しながら、随時、修正していきます。

 ローマ字と辞書での配列順

まずはじめに前提知識として、パーリ語で用いるローマ字と辞書での配列順を説明します。全部で41音あり、配列順は、1.母音、2.ṁも同じ)、3.kの仲間の子音、4.cの仲間の子音、5.ṭの仲間の子音、6.tの仲間の子音、7.pの仲間の子音、8.その他の子音という順です。それでは、下の表を見て頂きながら、グループ別に説明します。

                                                                                                                                               
 

a

 
 

ā

 
 

i

 
 

ī

 
 

u

 
 

ū

 
 

e

 
 

o

 
 

(ṁ)

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

k

 
 

kh

 
 

g

 
 

gh

 
 

(ṅ)

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

c

 
 

ch

 
 

j

 
 

jh

 
 

ñ

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

 
 

ṭh

 
 

 
 

(ḍh)

 
 

(ṇ)

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

t

 
 

th

 
 

d

 
 

dh

 
 

n

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

p

 
 

ph

 
 

b

 
 

bh

 
 

m

 
 

 

 
 

 

 
 

 

 
 

y

 
 

r

 
 

l

 
 

()

 
 

v

 
 

s

 
 

h

 
 

 

 

 

表1行目、母音は8音あり、アイウエオ順です。ただし、例えば、普通のaと、長音記号(ˉ)が付いたāのように、短い音と長い音とで字が区別されている場合は、短いほうが先で、長いほうが後です。なお、辞書にて、例えば、aに長音記号(ˉ)と短音記号(˘)の両方がついた字体になっている場合は、aの場合もāの場合もある(後述するように、アと読むこともアーと読むこともある)ということを表しています。

2行目、も同じ。専門用語で抑制音というそうです)について。これが語頭に来る単語はありません*が、語中や語尾には出てきます。その場合の順序として、母音より後ろ、他の子音よりも前になります。例えば、sではじまる見出し語は、sasa-uttarasa-upādisesasaṁsaṁyata saṁhīratisaka … といった順になっています。

* なお、これと同様に、表の中で丸括弧で囲った音は、その音が語頭に来る単語はない(少なくとも水野弘元先生の『増補改訂パーリ語辞典』には掲載されていない)ということを表しています。

表3行目以下の子音については、kからmまでの25音の各行は、おおむね、口の中の後方(喉に近いほう)で作る音から、口の前方(唇付近)で作る音へ、という順序だと覚えるといいと思います。専門用語も参考程度に書いてみますと、kではじまる行が喉音、cではじまる行が口蓋音、ではじまる行が反舌音、tではじまる行が歯音、pではじまる行が唇音というグループ名で、これらを五群というそうです。なお、この五群の2列目と4列目に、それぞれ後ろにhがつく音(専門用語で含気音というそうです)が計10音ありますが、これらはそれそのもので一音です。なので例えば、kではじまる見出し語がすべて終わってから、新たにkhではじまる見出し語が、khakhaggakhacita…と並ぶことになります。

最終行、yではじまる行は、上記以外の子音いろいろ7音です。これらは専門的には、喉音のh、口蓋音のy、反舌音のr、歯音のls、唇音のvと分けられるそうですが、実際のy r l ḷ v s hという並びは、そうした分類順のとおりではないので、私は理屈で覚えるのはあきらめました。語呂合わせで強引に覚えています。

 

 読み方(カナ的発音の仕方)

パーリ語の単語のローマ字表記の綴りを見てみると、その構成要素は、母音単独子音+母音の形が多いように思います。以下では、主にそれらについて、ローマ字にカナをふった表を作ってみました(備考:一つの単語内の綴りとして存在しない子音+母音の形も含まれているかもしれませんが、機械的に表に並べ、カナを振ってみました)。

一方、例外的に、子音単独子音の二連続、まれに子音の三連続もありまして、これらについては、最後のほうで少し、辞書で目にしたよくありそうなものだけ、表にしてみました。

稀なケースを除き、大半の単語は、これら一覧の中からあてはまるものを探してカナをふることができ、とりあえず何とか日本語的な発音ででも読めるのではないかと思います。

 

前述の41音の配列順に進めます。では、まずは、母音単独の読み方。

                               
 

a

 
 

ā

 
 

i

 
 

ī

 
 

u

 
 

ū

 
 

e

 
 

o

 
 

 
 

アー

 
 

 
 

イー

 
 

 
 

ウー

 
 

エー,エ *

 
 

オー,オ *

 

*備考:eoは、原則的には、エー、オーと長く伸ばして読みますが、eoの後ろに同じ子音が二個続くときは、短く(かつ後ろの一個目の子音を小さい「ッ」にして)読みます。例えば、ogha(暴流)はオーガ、oṭṭha(,ラクダ)はオッタと読みます。
なお、あらかじめ書いておきますが、以下すべての、子音+e、子音+oでも同様です。例えば、megha(雨雲)はメーガ、mettā()はメッターと読みます。

 

ここから、五群ごとに。一番目に、kではじまる行(喉音)の子音+母音の読み方。

                               
 

ka

 
 

 
 

ki

 
 

 
 

ku

 
 

 
 

ke

 
 

ko

 
 

 
 

カー

 
 

 
 

キー

 
 

 
 

クー

 
 

ケー,

 
 

コー,

 

 

                               
 

kha

 
 

khā

 
 

khi

 
 

khī

 
 

khu

 
 

khū

 
 

khe

 
 

kho

 
 

 
 

カー

 
 

 
 

キー

 
 

 
 

クー

 
 

ケー,

 
 

コー,

 

注1:細かくいうと、含気音のkhの行は、無気音のkの行よりも息多めで発音するそうですが、発音も聞き取りも難しそうなので、ほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

ga

 
 

 
 

gi

 
 

 
 

gu

 
 

 
 

ge

 
 

go

 
 

 
 

ガー

 
 

 
 

ギー

 
 

 
 

グー

 
 

ゲー,

 
 

ゴー,

 

 

                               
 

gha

 
 

ghā

 
 

ghi

 
 

ghī

 
 

ghu

 
 

ghū

 
 

ghe

 
 

gho

 
 

 
 

ガー

 
 

 
 

ギー

 
 

 
 

グー

 
 

ゲー,

 
 

ゴー,

 

上記の注1と同じ理由で、gの行とほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

ṅa

 
 

ṅā

 
 

ṅi

 
 

ṅī

 
 

ṅu

 
 

ṅū

 
 

ṅe

 
 

ṅo

 
 

 
 

ナー

 
 

 
 

ニー

 
 

 
 

ヌー

 
 

ネー,

 
 

ノー,

 

 

二番目に、cではじまる行(口蓋音)の子音+母音の読み方。

                               
 

ca

 
 

 
 

ci

 
 

 
 

cu

 
 

 
 

ce

 
 

co

 
 

チャ

 
 

チャー

 
 

 
 

チー

 
 

チュ

 
 

チュー

 
 

チェー,

チェ

 
 

チョー、

チョ

 

 

                               
 

cha

 
 

chā

 
 

chi

 
 

chī

 
 

chu

 
 

chū

 
 

che

 
 

cho

 
 

チャ

 
 

チャー

 
 

 
 

チー

 
 

チュ

 
 

チュー

 
 

チェー,

チェ

 
 

チョー、

チョ

 

上記の注1と同じ理由で、cの行とほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

ja

 
 

 
 

ji

 
 

 
 

ju

 
 

 
 

je

 
 

jo

 
 

ジャ

 
 

ジャー

 
 

 
 

ジー

 
 

ジュ

 
 

ジュー

 
 

ジェー,

ジェ

 
 

ジョー、

ジョ

 

 

                               
 

jha

 
 

jhā

 
 

jhi

 
 

jhī

 
 

jhu

 
 

jhū

 
 

jhe

 
 

jho

 
 

ジャ

 
 

ジャー

 
 

 
 

ジー

 
 

ジュ

 
 

ジュー

 
 

ジェー,

ジェ

 
 

ジョー、

ジョ

 

上記の注1と同じ理由で、jの行とほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

ña

 
 

ñā

 
 

ñi

 
 

ñī

 
 

ñu

 
 

ñū

 
 

ñe

 
 

ño

 
 

ニャ

 
 

ニャー

 
 

 
 

ニー

 
 

ニュ

 
 

ニュー

 
 

ニェー,

ニェ

 
 

ニョー,

ニョ

 

備考:nの行とは大きく異なるので注意してください。

 

三番目に、ではじまる行(反舌音)の子音+母音の読み方。

                               
 

ṭa

 
 

ṭā

 
 

ṭi

 
 

ṭī

 
 

ṭu

 
 

ṭū

 
 

ṭe

 
 

ṭo

 
 

 
 

ター

 
 

ティ

 
 

ティー

 
 

トゥ

 
 

トゥー

 
 

テー,

 
 

トー,

 

 

                               
 

ṭha

 
 

ṭhā

 
 

ṭhi

 
 

ṭhī

 
 

ṭhu

 
 

ṭhū

 
 

ṭhe

 
 

ṭho

 
 

 
 

ター

 
 

ティ

 
 

ティー

 
 

トゥ

 
 

トゥー

 
 

テー,

 
 

トー,

 

上記の注1と同じ理由で、の行とほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

ḍa

 
 

ḍā

 
 

ḍi

 
 

ḍī

 
 

ḍu

 
 

ḍū

 
 

ḍe

 
 

ḍo

 
 

 
 

ダー

 
 

ディ

 
 

ディー

 
 

ドゥ

 
 

ドゥー

 
 

デー,

 
 

ドー,

 

 

                               
 

ḍha

 
 

ḍhā

 
 

ḍhi

 
 

ḍhī

 
 

ḍhu

 
 

ḍhū

 
 

ḍhe

 
 

ḍho

 
 

 
 

ダー

 
 

ディ

 
 

ディー

 
 

ドゥ

 
 

ドゥー

 
 

デー,

 
 

ドー,

 

上記の注1と同じ理由で、の行とほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

ṇa

 
 

ṇā

 
 

ṇi

 
 

ṇī

 
 

ṇu

 
 

ṇū

 
 

ṇe

 
 

ṇo

 
 

 
 

ナー

 
 

 
 

ニー

 
 

 
 

ヌー

 
 

ネー,

 
 

ノー,

 

注2:細かくいうと、喉音のの行と、反舌音のの行は、舌の位置や形が違うそうですが、発音も聞き取りも難しそうなので、の行とほぼ同じとさせてください

 

四番目に、tではじまる行(歯音)の子音+母音の読み方。

                               
 

ta

 
 

 
 

ti

 
 

 
 

tu

 
 

 
 

te

 
 

to

 
 

 
 

ター

 
 

ティ

 
 

ティー

 
 

トゥ

 
 

トゥー

 
 

テー,

 
 

トー,

 

注3:細かくいうと、反舌音のの行と、歯音のtの行は、舌の位置や形が違うそうですが、発音も聞き取りも難しそうなので、の行とほぼ同じとさせてください

 

                               
 

tha

 
 

thā

 
 

thi

 
 

thī

 
 

thu

 
 

thū

 
 

the

 
 

tho

 
 

 
 

ター

 
 

ティ

 
 

ティー

 
 

トゥ

 
 

トゥー

 
 

テー,

 
 

トー,

 

上記の注3と同じ理由で、ṭhの行とほぼ同じとさせてください。

また、上記の注1と同じ理由で、tの行ともほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

da

 
 

 
 

di

 
 

 
 

du

 
 

 
 

de

 
 

do

 
 

 
 

ダー

 
 

ディ

 
 

ディー

 
 

ドゥ

 
 

ドゥー

 
 

デー,

 
 

ドー,

 

上記の注3と同じ理由で、の行とほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

dha

 
 

dhā

 
 

dhi

 
 

dhī

 
 

dhu

 
 

dhū

 
 

dhe

 
 

dho

 
 

 
 

ダー

 
 

ディ

 
 

ディー

 
 

ドゥ

 
 

ドゥー

 
 

デー,

 
 

ドー,

 

上記の注3と同じ理由で、ḍhの行とほぼ同じとさせてください。

また、上記の注1と同じ理由で、dの行ともほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

na

 
 

 
 

ni

 
 

 
 

nu

 
 

 
 

ne

 
 

no

 
 

 
 

ナー

 
 

 
 

ニー

 
 

 
 

ヌー

 
 

ネー,

 
 

ノー,

 

上記の注3と同じ理由で、の行とほぼ同じとさせてください。

また、それと同時に、上記の注2と同じ理由で、の行ともほぼ同じとさせてください。

 

五番目に、pではじまる行(唇音)の子音+母音の読み方。

                               
 

pa

 
 

 
 

pi

 
 

 
 

pu

 
 

 
 

pe

 
 

po

 
 

 
 

パー

 
 

 
 

ピー

 
 

 
 

プー

 
 

ペー,

 
 

ポー,

 

 

                               
 

pha

 
 

phā

 
 

phi

 
 

phī

 
 

phu

 
 

phū

 
 

phe

 
 

pho

 
 

 
 

パー

 
 

 
 

ピー

 
 

 
 

プー

 
 

ペー,

 
 

ポー,

 

上記の注1と同じ理由で、pの行とほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

ba

 
 

 
 

bi

 
 

 
 

bu

 
 

 
 

be

 
 

bo

 
 

 
 

バー

 
 

 
 

ビー

 
 

 
 

ブー

 
 

ベー,

 
 

ボー,

 

 

                               
 

bha

 
 

bhā

 
 

bhi

 
 

bhī

 
 

bhu

 
 

bhū

 
 

bhe

 
 

bho

 
 

 
 

バー

 
 

 
 

ビー

 
 

 
 

ブー

 
 

ベー,

 
 

ボー,

 

上記の注1と同じ理由で、bの行とほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

ma

 
 

 
 

mi

 
 

 
 

mu

 
 

 
 

me

 
 

mo

 
 

 
 

マー

 
 

 
 

ミー

 
 

 
 

ムー

 
 

メー,

 
 

モー,

 

 

ここから、その他の子音+母音の読み方。

                               
 

ya

 
 

 
 

yi

 
 

 
 

yu

 
 

 
 

ye

 
 

yo

 
 

 
 

ヤー

 
 

 
 

イー

 
 

 
 

ユー

 
 

イェー,イェ

 
 

ヨー,

 

 

                               
 

ra

 
 

 
 

ri

 
 

 
 

ru

 
 

 
 

re

 
 

ro

 
 

 
 

ラー

 
 

 
 

リー

 
 

 
 

ルー

 
 

レー,

 
 

ロー,

 

 

                               
 

la

 
 

 
 

li

 
 

 
 

lu

 
 

 
 

le

 
 

lo

 
 

 
 

ラー

 
 

 
 

リー

 
 

 
 

ルー

 
 

レー,

 
 

ロー,

 

注4:当然rlは字がまったく違うので発音も違うのですが、発音も聞き取りも難しそうですし、カナ表記の限界からも、rの行とほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

ḷa

 
 

ḷā

 
 

ḷi

 
 

ḷī

 
 

ḷu

 
 

ḷū

 
 

ḷe

 
 

ḷo

 
 

 
 

ラー

 
 

 
 

リー

 
 

 
 

ルー

 
 

レー,

 
 

ロー,

 

上記の注3と同じ理由で、lの行とほぼ同じとさせてください。

また、上記の注4と同じ理由で、rの行ともほぼ同じとさせてください。

 

                               
 

va

 
 

 
 

vi

 
 

 
 

vu

 
 

 
 

ve

 
 

vo

 
 

ヴァ/

*

 
 

ヴァー/

ワー*

 
 

ヴィ

 
 

ヴィー

 
 

 
 

ヴー

 
 

ヴェー,

ヴェ

 
 

ヴォー,

ヴォ

 

*備考:vaはヴァでもワでもいいし、もヴァーでもワーでもいいと思います。どちらが本来正しいのか分かりませんが、よく使われるほうや言い易さで選んだらいいでしょう。例えば、Theravada(上座部)は個人的には、テーラヴァーダよりもテーラワーダのほうが言い易く感じます。当時のインドの十六大国の一つであるVajjīは、ワッジーでもヴァッジーでもいいと思います。

 

                               
 

sa

 
 

 
 

si

 
 

 
 

su

 
 

 
 

se

 
 

so

 
 

 
 

サー

 
 

/

スィ*

 
 

シー/

スィー*

 
 

 
 

スー

 
 

セー,

 
 

ソー,

 

*備考:siはシでもスィでもいいし、もシーでもスィーでもいいと思います。上記のva等と似た言い訳をさせてください。例えば、sikkhā(,訓練)はシッカーでもスィッカーでもいいし、sīla()はシーラでもスィーラでもいいと思います。

 

                               
 

ha

 
 

 
 

hi

 
 

 
 

hu

 
 

 
 

he

 
 

ho

 
 

 
 

ハー

 
 

 
 

ヒー

 
 

 
 

フー

 
 

ヘー,

 
 

ホー,

 

 

最後に、例外的なケース(子音単独、子音の二連続・三連続)について。

                                               
 

後ろに母音がこない場合の

 

t d

 
 

トゥ  ドゥ と読みます。

 
 

例えば、ñatvā(知って)はニャトゥヴァー、tvaṁ(あなた)はトゥヴァン、etad(これ)はエータドゥ、indriya()はインドゥリヤまたはインドゥリャ、dvi()はドゥヴィと読むと思います。

 
 

後ろに母音がこない場合の

 

b y l s

 

(右で個別に説明)

 
 

bはブと読み、braはブラ、brāはブラー、brūはブルー と読みます。

 

例えば、brahma()はブラフマ、brāhmaṇa(婆羅門)はブラーフマナ、brūti(言う)はブルーティと読みます。また、abrahmacārin(非梵行者)はアブラフマチャーリン(アクセントの位置を考慮すると実際にはアッブラフマチャーリン)と読むと思います。

 
 

yはイと読み、yhaはイハ と読みます。

 

例えば、vigayha(入って)は、ヴィガイハと読みます。

 
 

lと読み、lyaルヤと読みます。

 

例えば、kalya(善い)は、カルヤ(実際にはカゥヤ)と読みます。

 
 

lと同様、と読みます。例えば、daḷha(堅固の)ダルハ実際にはダゥハ)、abbūha(抜いた)はアッブールハ(実際にはアッブーラ)、avirūhi(未成長)はアヴィルールヒ(実際にはアヴィルーリ)と読むと思います。

 
 

sはスと読み、svā スワー  スヴァー と読みます。

 

例えば、svākkhāta(よく説かれた)はスワーッカータと読みます。

 
 

子音+y+母音

 

(右で個別に説明)

 
 

byavyaはブヤ(実際にはビャ)、byāvyāはブヤー(実際にはビャー)と読みます。

 

実際には、例えば、byāpādavyāpāda()はビャーパーダと読みます。また、abyāpajjhaavyāpajjha(無瞋の)はアビャーパッジャ(アクセントの位置を考慮するとアッビャーパッジャ)と読むと思います。

 
 

kyakhyaはキャ、gyaはギャ、gyeはギェーと読むと思います。

 

例えば、sakya(釈迦)はサキャ(アクセントの位置を考慮するとサッキャ)、ārogya(無病)はアーローギャと読むと思います。

 
 

後ろに母音がこない場合の

 

)や  や ñ や

 

 や n や m

 
 

すべて、ン と読んでもいいと思います

 

注5:は喉音、ñは口蓋音、は反舌音、nは歯音、mは唇音という分類にもとづく細かい違いがあるかもしれませんが、発声も聞き取りも難しそうですし、カナ表記の限界からも、同じとさせてください。

 
 

例えば、dhamma(,真理)はダンマ、dhaṁsin(無遠慮な)はダンシン、最初の仏弟子Koṇḍaññaはコンダンニャ、sañjanati(生まれる)はサンジャナティ、santa(寂静の)saṇṭha()はサンタと読むと思います。

 
 

同じ子音(上記のṁ ṃ ṅ ñ  n mを除いて)が二個続く場合の


一個目の子音

 
 

すべて、小さい  と読みます。

 
 

例えば、dukkha()はドゥッカ、vipassanā()はヴィパッサナーと読みます。

 
 

yyとなっている場合の

 

一個目の y

 
 

 または、小さい  と読みます。

 
 

例えば、āhuneyya(供食されるべき)はアーフネイヤまたはアーフネッヤ、dakkhiṇeyya(供養されるべき)はダッキネイヤまたはダッキネッヤと読みます。

 
 

後ろに同じ子音が二個続く場合の e o

 

(前述ずみ)

 
 

短く、かつ、後ろの一個目の子音を小さい  と読みます。

 
 

例えば、oṭṭha(,ラクダ)はオッタ、mettā()はメッターと読みます。

 

 

(応用編) 分かれて書かれてある単語と単語でも、そのつなぎ目のところで、発音しやすいように、前語語尾の音と後語語頭の音をくっつけ続けて読んだりすることがあります。下記に少し例を示します。

                                   
 

karaṇīyam atthakusalena

 
 

× カラニーヤン アッタクサレーナ

 
 

 カラニーヤマッタクサレーナ

 
 

idham āhu

 
 

× イダン アーフ

 
 

 イダマーフ

 
 

dukkham iccheyya

 
 

× ドゥッカン イッチェイヤ

 
 

 ドゥッカミッチェイヤ

 
 

maṅgalam uttamaṃ

 
 

× マンガラン ウッタマン

 
 

 マンガラムッタマン

 
 

brahmam etaṁ

 
 

× ブラフマン エータン

 
 

 ブラフマメータン

 
 

yad atītaṃ

 
 

× ヤドゥ アティータン

 
 

 ヤダティータン

 

なお、この他、結合で音が変化する(綴り字が減ったり増えたり、別の字に変わったりする)こともありますが(これを連声といいます)(例えばna atthi natthiでナッティと読む)、その説明や例示は膨大になるので、省略させてください。

 

以上です。何かのご参考になれば幸いです。

(文責:脇坂)